私の障害は、広汎性発達障害(自閉症スペクトラム障害)です。
この障害は、人によって症状や特性が千差万別なのですが、私の場合、人に対する過敏性の症状がひどく、視界に人が入ってくるだけで緊張してビクビクして身動きが取れませんでした。いわいる幻覚や幻聴もありました。
私の場合、通りすがる人から見られている、悪口を言われているように感じました。なぜそういったことが起きるのかというと、一般的に幻覚や幻聴が起こるのは、脳内物質であるドーパミンの過剰分泌が原因ではないかと言われているのですが、発達障害は脳機能がアンバランスなため、脳内ホルモンもアンバランスであり、ドーパミンとセロトニンとGABAのバランスが正常でないため、統合失調症のような幻覚や幻聴の症状がある人が、中にはいます(主治医談)。
私の場合、幼少期から過敏性の症状があったのですが、高校時代にそれが悪化し、幻覚や幻聴の症状も出てきました。それらの症状に苦しみ、外に出るのが怖くて、短大を中退してからずっと家に引きこもっていました。
高校時代から精神科は通っており、抗精神病薬も飲んだのですが、副作用がひどく、薬に対する抵抗が生まれました。
それ以来、薬を飲むことはしないと思い、でも症状は消えず外に出れなくて、どうしようもない状態でした。
しかし、ここでは詳細を言うことは避けますが、あることがきっかけで、普通の人と同じように外に出て、社会的生活を送って、人並みの人生を歩んでみたいという思いが芽生え、その思いが強くなったため、どんな手を使ってでも症状を克服してみせると思い、主治医の勧めで抵抗のあった薬も再び飲み始めました。
はじめは、高校時代に飲んだ薬と同じ薬を飲み、やはり副作用に苦しみましたが、その頃通い始めた精神科デイケアの利用者が話している薬のことを耳にして、その別の薬を飲んでみました。
すると、はじめに飲んだ薬のような苦しい副作用はなく、飲み続けられました。
すると、幻覚や幻聴、過敏性の症状も消えていきました。
しかしその薬も眠気の副作用があるため、今は別の薬を飲んでいます。
現在、その薬とうまく付き合って生活していけてます。
薬には相性があり、私には副作用がつらい薬でも、別の人が飲んだら何も起きない、ということがあります。
抗精神病薬も複数あるため、自分に合った薬に出会えれば、過敏性、幻覚、幻聴といった症状に苦しむことなく、普通の人と同じように生活できるようになるかもしれません。
私自身は、現在、就労移行支援に通っており、一生引きこもりだろうなと思っていましたが、就職を目指すほどに回復しました。
この障害は症状や特性が千差万別であり、人によって困っていることはまったく違うと思うのですが、もしかつての私と同じような、似たような症状で苦しんでいる人がいたとして、普通の社会生活を送りたいと思っているのであれば、薬を飲むことをお勧めします。
私の場合は薬に救われました。
もちろん、完璧にいいことばかりではなく、少しの副作用には耐えなければならない場合もあります。
でも、一生家に引きこもるよりは、少しくらいのリスクがあっても薬を飲んで外に出れるようになって普通の社会生活を送れるようになったほうが、人間として健康的だと思います。
薬に抵抗がある人も、自分に合った薬があるかもしれないから、医者と相談しながら探していけばその薬に出会えるかもしれません。
私の場合は、一生薬を飲まなければ社会生活を送れなくなると思います。
でも、過敏性や幻覚、幻聴に苦しむことと、薬なしでは生きていけないし多少の副作用はあれど普通の社会生活を送れることを天秤にかければ、後者の方が圧倒的にマシだと思うので、薬を飲んで生きていきます。
あとがき
ちなみに、薬で症状を克服し回復するまで、私の苦しんできたことは薬で解決できることだったんだと気づきませんでした。
統合失調症などの精神疾患じゃあるまいし、ただの発達障害者が薬なんかでそんな魔法みたいに治るのか?と疑っている人、そもそも薬を飲むという発想がない人、かつての私もそうでした。
参考程度に軽い気持ちでこの文章を受け止めてください。
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